Chapter.1  ストーカーされてます!?

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不満そうな顔をする美紗さんを送るため、俺は玄関まで来た。 美紗さんがブーツを履くと、据わった蒼い瞳でじっとこちらを見つめてくる。 「な、なんでしょうか?」 「……なんか、妙に嬉しそうにしているのは私の気のせいかな?」 ギクッと肩が震えた。 気のせいではない、本当に嬉しいのだ。 こんなストーカー女と一緒に居ると、俺の命は何個あっても足りない。 「あ、あはは……気のせいだよ、うん」 「ふぅん……それならいいか。じゃあ、お別れのキスをしてくれる?」 「うぇっ!?俺から!?」 「さっきのキスは私からした。次は優真の番。……ん」 目を閉じて唇を突き出し、背伸びをしてくる美紗さん。 本当は好きでもない人にキスをするなんて真っ平ご免だが、拒めばカッターの刃が飛んでくるのは必至だ。 「……っ」 だから俺は彼女の肩を掴み、その唇にキスをするより選択肢はなかった。
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