2997人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は訳の分からない状況に直面していた。
「み、美紗さん……?ど、どうしたんだよ……?」
簡単に確認しよう。
ここは俺の部屋です。
普通に一人でベッドに寝ました。
目を覚ましました。
美紗さんが馬乗りになっていました。
以上、回想終了。
「……『どうしたんだよ』?随分な挨拶だね、優真。彼女がこうして来てやったのに……」
何故か焦点の合っていない瞳で、俺を見つめてくる美紗さん。
心の内側を抉るような視線に、背筋が凍り付く。
「それはそうと……優真。今日、女の子と話してたよね?」
「はっ?いや、そんなの記憶に――」
「嘘をついたって無駄だよ?だって君から、あの女の匂いがするもの」
俺の言葉を遮り、怒りに満ちたその顔を近付けてくる美紗さん。
だが、俺には本当に記憶にない。
最初のコメントを投稿しよう!