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「うわぁあああっ!」
がばっ。
俺は飛び上がらんばかりの勢いで、上体を起こして目を覚ました。
「はぁ……っ、はぁ……っ!」
だらだらと流れる汗を腕で拭き取り、荒い息を整えつつ状況を確認する。
美紗さんの姿は無く、俺は普通に無事だ。
「な、なんだよ……夢か」
そう、夢オチだった。
しかし、なんつー夢を見てしまったのだ、俺は……。
あんなの、マジでシャレにならん。
「……待てよ、ってことは今までのことも全部夢とか!?」
美紗さんとの出会いも、全て夢。
そう考えればカッターを振り回されることも、ストーカーされることもない。
「うん、これは夢だ……夢だ……夢だ……夢だ……っ!」
ご都合主義全開でそう自分に言い聞かせているところ、不意に携帯電話が鳴った。
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