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ディスプレイを覗くと、見知らぬ十一桁の番号が表示されていた。
「……誰だ?」
時刻を見ると、朝の六時。
いつも俺が起きる時間帯だが、こんな朝っぱらから電話がかかってくるのは珍しい。
俺は不審に思いながらも、通話ボタンを押して携帯電話を耳に当てた。
「……もしもし?」
『おはよう、優真。良く眠れた?彼女からのラブコールで目が覚めたよね?』
「…………」
なんということでしょう。
電話をかけてきた相手は美紗さんでした。
全て夢だと思いたかったのに、早くも現実に裏切られました。
『……?どうしたの、優真?』
俺の返事がなかったのが不思議だったのか、怪訝そうな声で訊ねてくる美紗さん。
「いや、なんでもない……。それより、俺の番号、どうやって知ったんだ?」
『うん、優子から教えてもらった』
やっぱりか!あんのクソ姉め!
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