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本当にあの姉は、一体何を考えているんだか分かったもんじゃない。
胸中で怒りを覚えていると、電話の向こうの美紗さんが『それより……』と続けた。
『早く起きて準備して。私も今からそっちに向かうから』
「はっ?いや、なんで!?」
『それじゃ、また後でね』
俺の質問を無視し、美紗さんは一方的に通話を切ってしまった。
「ちょっ……!?おい……!」
慌てて声をかけるが、通話の切れた音だけが虚しく返ってくるだけだった。
携帯電話を閉じ、唖然とする。
「マジかよ……朝っぱらから、なんていう悪夢だよ……」
そうぼやくものの、確かにこんなのんびりとしている時間はない。
早く起きて、朝食を作って学校に向かわなければいけない。
「はぁ……」
俺は深い溜め息を吐きつつ制服に着替え、部屋を出た。
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