2997人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
「いただきます」
彼女は手を合わせて挨拶をし、野菜スープを一口飲んだ。
そして顔が綻んだ。
「ん……凄く美味しい」
「そっか、良かったよ」
やはり「美味い」と言ってくれると、俺としても作った甲斐があったというものだ。
「うん。これなら、私たちがいつ結婚しても大丈夫だね。結婚しよっか?」
「いやいや、俺はまだ結婚出来る年齢じゃないから!というか、俺が専業主夫になんの!?」
「ううん、私も働きたいから家事は分担。いいでしょ?」
「いや、まあ……いいけどさ」
そんな話をしていると、不意に携帯電話が鳴り出した。
「着信?誰?もしかして女?」
「違うから、カッターは仕舞って!」
いつの間にかカッターを取り出してこちらに向けていた美紗さんを窘め、ポケットから携帯電話を取り出す。
最初のコメントを投稿しよう!