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鳴ったのはアラーム。
学校に遅刻してはいけないと、予めセットしていたのだ。
「ヤバっ、そろそろ出ないと!」
「ん、もうそんな時間?それじゃあ、途中まで一緒に行こっか」
「えっ……?いや、それは……」
「嫌とは言わせない」
低い声で言葉を遮られてしまった。
本当にこの人は自分勝手というか、有無を言わさないというか……。
「わ、分かったよ。準備してくるから」
「うん。その間、私は食器を洗っておく」
そう言うと、美紗さんは食器をキッチンに運んで行った。
嬉しいと言えば嬉しいが、そんな気遣いが出来るなら俺の意見も尊重してほしい。
まあ、言ったところで無駄だと思うが……。
「はぁ……」
俺は深い溜め息を吐きつつ、自室へ向かうのだった。
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