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俺は涙をうっすら浮かべながら、キッと目を吊り上げて美波を睨む。
「~~っ、何するんだ、この暴力女!」
「うっさい、黙れ!節操なし男!」
「な、なんだと!?」
「ホントのこと言っただけだろうが!」
「ガルルゥッ!」といがみ合う俺たち。
こんなことは日常茶飯事なのだが、どうも今日の美波は機嫌が悪い。
ヤツはぷいっと顔を背けると、小さな声で呟いた。
「ちっ……他の女とイチャつきやがってよ……!」
「ん?なにか言ったか?」
聞き取れなかったので訊ねると、美波は眉を寄せて俺を再び殴ってきた。
「う、うっせぇ!なんでもねぇよ!」
「ぐっ……だ、だから殴んなっての!」
「ふんっ……!」
美波はそれ以上言い返すことはせず、自分の席へ歩いて行った。
なんなんだ?訳が分からん……。
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