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それからホームルームが始まり、いつものように授業が始まった訳だが――
「…………」
ずっと睨まれている。
俺を睨むヤツなんて、美紗さん以外に知り得る中ではただ一人だ。
そっと目を向けると、じっと穴が開くような視線を送る美波がいた。
「…………」
……本当に穴が開きそうです。
俺、何かしたっけ?
考えても心当たりがまるでないので、俺はノートの切れ端に『何故睨む?』と簡単に書き、丸めて隣に座るクラスメイトに渡す。
「すまん、これを美波に」
「心得た」
小さな声で頼むと、頼もしい返事と共に紙くずを受け取ってくれた。
そのままクラスメイトたちの経由により、美波に紙くずが渡される。
ヤツはそれを開いて見た後、キッと再び俺を睨んできた。
……何故?何故なのだ?
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