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「っ……」
畏怖する彼女の笑顔に、さすがの美波も凍り付いて言葉を失う。
美紗さんは、そんな美波に追い討ちをかけるように言った。
「優真は私の彼氏。私は優真の彼女。二人の仲を引き裂こうとするなら、誰であっても容赦はしないよ?」
キン!と音を立てて周囲の空気が固まった……ように俺は感じた。
それくらい美紗さんの声色は冷たく、そして鋭かった。
「くっ……べ、別に引き裂こうとしている訳じゃねぇ。ただの忠告だ!」
「それこそ余計なお世話だよ」
そう言い捨てると、彼女は俺の手を取って歩き出した。
「行こ、優真」
「み、美紗さん……!?」
俺は驚いたが抵抗することなく、美紗さんに付いていく。
その背後で、美波のキレた声が聞こえる。
「優真!あたしは忠告したからな!」
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