2997人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
「ふぅ……今日も終わったな」
某月某日、陽も暮れ落ちた頃。
いつものようにバイト先から帰宅した俺は、ある不自然なことに気が付いた。
「……?」
周りには誰も居ないはずなのに、どうしてか背後から人の気配がするのだ。
しかも、ぴったりと付いてくるような気がしてならない。
不審に思って後ろを振り向くが、不思議なことにそこには誰も居なかった。
「……気のせいか?」
しかし妙に気になる。
確認するために、俺は再び歩を進めた。
ただし、意識的に歩幅をずらしてみる。
――カッ、カッ、カッ。
――コッ、コッ、コッ。
すると俺の他に、もう一つの足音が確実に聞こえた。
……やはり気のせいじゃない。
俺は今、誰かに尾行されている。
最初のコメントを投稿しよう!