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それから遊馬は頭を抱えたまま、だりぃー、マジめんどくせー、などと遠慮なく、ひとくさり悪態をついたあと、
「まぁ、乗りかかった船だしな。しょーがねぇ、説明してやんよ!……高くつくぜ?」
恩着せがましくそう言って、こちらへニヤリと悪い笑みを浮かべて見せたのだった。
……で?
ホレホレと掌を上にして、こっちに向けて手を差し出してる意味はなんだ。
もしや、お手でもしろと?
「1本でいいぜ?」
「……浅学で済まん。1本指でお手とか、マジ意味わからんのだが……」
それとも腐男子には意味があるんだろうか。深いなぁ……腐男子。
「ちっげーよ!さっきのメロンパン+お茶代に、こっから先の情報料金!」
友情価格で、しめて1000円也だそうな。
まさか、こうくるとは。
「友達から金取るのかお前は」
いや、メロンパンとお茶の代金はちゃんと耳揃えて返すよ?むしろ買ってきて貰って感謝してます。いや本当。
それでも購買部のパン+お茶代って、500円でお釣りが来るだろうが。倍額上乗せかよ、このごうつく守銭奴!
「高い。せめて800円にまけろ」
「ダメだね!本当なら1500円取ってるとこなんだかんな?……ここは大人しく払っておいたほうが身のためだぜ、ぼうや?」
誰の物真似だよ。
「アホか。だいたい、それならこないだの歴史、レポートまるまる手伝ってやっただろ。……850円」
「その分、英語の訳を教えてやったよな。950円!」
「割にあわねぇよ。引っ掛かってた長文、一カ所だけだったろうが。……そういや、お前にはもうひとつ、でっかい貸しがあったよな?──700円」
忘れたとは言わせねぇぞ。
去年からの、どでかいのが。
「貴様っ、ここにきてさらに値切る、だと……!?」
なんだ、そのおののいたツラは。
バカバカしい。むしろ200円払ってやるだけで有り難いと思いやがれ。
「この鬼畜、ドS攻めっ!だが、そこがいい!」
「…………なるほど。600円でいいんだな?」
まったく。
100円も残してやるとか、つくづく俺も甘いよな?
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