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プルルルプルルル
車内に音が流れた。
杏子さんは携帯を取り出して出る。
「はい。アリア様!はい、分かりました」
車を脇に止めて、誰かと話している。
アリア様?
「乙葉、アリア様ってね私たちのボスなんだよ」
琉亜が小声で言った。
「…全く、詐欺だぜ」
詐欺?何の事なの
「あはは。アリア様は見た目は中学生だからね」
琉亜の言葉に私は驚いた。
「えっ、中学生?」
私が聞き返すと苦笑いしながら頷く。
「皆さん。アリア様から西洋君が私たちと合流するわ」
携帯をしまいながら笑顔で言った。
「えっ、西洋が!」
西洋と聞いて琉亜が飛び跳ねている。
私には何で喜んでいるのか分からない。
「…西洋ってのは仲間だ」
面倒くさそうに炎が言う。
「炎、簡単すぎ。西洋はねとっても強いんだよ」
琉亜は目をキラキラさせて話している。
ごめん。琉亜の説明もよく分かんないや。
「町永 西洋君、あなたより1つ上よ」
杏子さんが丁寧に説明してくれた。
「先輩なんだ」
「西洋はね、強いよ」
琉亜は正気を失っているようだ。
「病院に行って西洋君と合流するわよ」
そう言うと再び車を走らせた。
「あ、病院って……誰か入院してるんですか?」
「してないわ。ちょっとした用事よ」
この時の杏子に私は胸騒ぎがした。
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