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「……おい、大丈夫か?」
炎が心配そうに見つめる。
なんだか恥ずかしくなっちゃった。
「……うん」
自分でもビックリするくらい小さい声だった。
炎はふぅーっとため息をつくと頭を掻いた。
「…あいつは……俺たちは簡単には死なねぇよ」
炎はどこか遠い所を見ながら言う。
「えっ……簡単には死なないって?」
分からず聞き返してしまった。
「……後で説明があるだろ」
ボソッと言うと急に目つきが変わった。
さっきまで興味無さそうだったのに今は……目が怖い。
まるで、目つきだけで人が逃げていくようだ。
「…どうか…した?」
思わず聞いてみた。
「……そこから一歩も動くなよ」
炎はそう言うと空に向かって手を伸ばす。
何をやってるんだろ?
疑問に思って聞こうと立ち上がった時。
「動くなって言っただろッ!」
炎の怒鳴り声が聞こえた。
「だ、だって仕方ないでしょ」
そう言ったが炎には聞こえてないだろう。
「…来い、神剣『炎剣』!」
空に向かって叫ぶと炎の手が炎に包まれた。
えっ……手が燃えてる!?
炎に包まれた手に何かデカい剣を握っていた。
「あの……剣が」
人間の手から炎と一緒に剣が出てきた。
「…俺は戦う力を持つ」
独り言のように言うと走って行ってしまった。
えっ……私だけ?一人になっちゃった。
一人はとても心細い……私はずっと一人だったから。
おとなしく待っていると時々、ドカーンと音が聞こえる。
そこに炎がいるんだ。
「…大丈夫かな。琉亜」
途中で分かれた琉亜の事が気になった。
私は怒られると思いつつ、さっきの道を戻る。
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