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琉亜について行くと学校の道路に着いた。
「る、琉亜?私たち学校に行かないと」
「へーきへーき。いい所に連れて行ってあげる」
琉亜はまるで誘拐しようとしているオッサンのように言った。
「……来たぜ」
炎が静かに言った。
見ると私たちの目の前に黒い車が止まる。
ドアが開いて出てきたのは若い女性だった。
「あ、あの」
「初めまして。私は滝川 杏子(タキガワ キョウコ)と申します」
女性は丁寧にお辞儀をした。
「は、初めまして。私は西条 乙葉です」
杏子と名乗る女性は美人だ。胸も大きいし、何より優しそう。
髪はショートで目はパッチリとしてて唇はプルンとしている。
「乙葉さん、よろしくお願いします」
杏子さんは素敵な笑顔で歓迎してくれた。
「じゃあ乙葉、車に乗って」
琉亜は私の背中を押して車に乗せようとしている。
いくら何でも、知らない車に乗るなんて!
私は躊躇ったけど琉亜の力が強くて負けてしまった。
奥から私、琉亜、炎の順番で車に乗りこむ。
「では、出発します」
こうして車は動き始めてしまった。
☆☆☆
「いよいよですね、アリア様」
アリア様と呼ばれた幼い少女は頷く。
「歓迎しますよ。生まれ変わった神との再会を」
アリアは両手をいっぱいに広げて微笑んだ。
「……はい。待ちに待った再会ですね」
「そうそう。お前は炎たちと共に行って欲しい」
アリアは思い出したように人差し指を立てた。
「ハッ。分かりました」
「……アイツらは動き出した。用心に越したことはない」
「では。失礼します」
少年は少女に向かって礼をすると出て行った。
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