手離し難き運命

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なかなか消えない眠気の所為か、少しだけまだ自由の効かない身体で辿々しくも歩みを進めていく。 「ふぁあ……。」 どうも平和呆けしてるのは美鈴だけでは無いらしく、油断しきった私の口から大きな欠伸が零れた。 平和……か。 そんなもの、私には程遠いものだと思っていた。 でも此処で過ごす時間が永くなるにつれて、私も少しだけ変わってしまったみたいね。 ――私はこの幻想郷に来てすぐに、自己中心的な自己満足の為に“とある事件”を起こした。 それはこの世界の人間には多大な悪影響を及ぼすもので、すぐに危険な対象だと認識されたわ。 まあ予定通りに、私を断罪する者が館を訪れた。 断罪なんて堅苦しいものじゃないわね、つまりは懲らしめに来たのよ。 ……何故か巫女だった。 彼女と1対1の決闘。 月を真っ赤に染めても、彼女に勝つ事は出来なかった。 そして私は、自己満足に満足する前に終止符を打たれた。 しかし意外だったのは、事件の当事者たる私は淘汰される訳でも無く、ただ何も無かったかのようにまた日々が流れ出した事だ。 困惑する私を尻目に、その巫女は「まあ別にいいんじゃない?」と軽々しく遇った。
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