手離し難き運命

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私は呆気に取られたわ。 何を起こすか分からない者を、一段落着いたからとそれだけで放置するだなんて。 此処の人間は暢気過ぎた。 彼女達によって、私の大事なもの、いや、大事だと思っていたものは意味を成さなくなっていった。 考え方が変わったとも言える。 ……縁とは奇妙なもので、色々ありつつ私は彼女達と交流を深めていった。 そんな生活を続ける内に、私も感化されて……。 大した話じゃ無いけど、そんなところかしらね。 要するに、私はこの暢気さが意外と嫌いじゃなくて、変わらない日常を過ごすのを案外楽しめている、という事。 戦いは、好きよ。 でもこういう生活も、悪くないと知ってしまった。 ……こんな事思うなんて、本当変わったわ。 「おはようございます、お嬢様ー。」 思いの外考え込んでいたのか、忙しそうに駆けながら傍らを通りすぎる数人の妖精メイドに気付けなかった。 遅れて私も「ええ、おはよう。」と挨拶を返す。 今日はちゃんと働いてるようね、感心感心。 彼女達は咲夜の他に此処で働いているメイドだ。 種族は妖精、だから妖精メイド。
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