16人が本棚に入れています
本棚に追加
「悪いね、これも戦いだからさ……響、後は頼むよ」
赤熱したように機体全体が真紅に染まっているガンプラが、全身を金色に染めた機体の一撃を受け止めた。
そのガンプラ――トランザムを発動したヤークトアルケーガンダムは明鏡止水を発動しているマスターガンダムの一撃を受け止めるが、耐え切れずに沈黙する。
手足が長い異質なフォルムはスローネ系列独特の物であり、更には元になった機体と比べて武装も増量されているが、今のヤークトアルケーに武装らしい物はない。
ここに至るまでで、全てを使い切ったからだ。
「邪魔を……!」
マスターガンダムを駆る少女、白銀昴は憎々しげに表情を歪め、本来追っていた敵の姿を探す。
「ありがとう、プロデューサー……楽しく戦う場所に、恨み言を持ち込んじゃいけないんだぞ!」
少女のガンプラと同じく、全身が金色に染まっているガンプラが、ヤークトアルケーの真下から現れる。
日輪を背負っているようなそのガンプラは、ゴッドガンダム。
昴は何の因果かと内心では喜んでいたが、目の前に現れた「敵」に対して容赦を加えるつもりはなかった。
ゴッドガンダムを駆る少女……我那覇響はガンプラ越しに昴の姿を見据えて、叫ぶ。
「断ち切ってやるぞ!爆熱……」
「……邪魔なのよ、目障りなのよ……貴女みたいにぬくぬくと生きてきた奴が!」
「ゴッド・フィンガーさ!」
「ダークネス・フィンガー……!」
全てのエネルギーを右手に集約した、ゴッドガンダムとマスターガンダムの必殺技が交錯する。
黄金色のプラズマが弾け、二機の間には膨大なエネルギーの奔流が生じていた。
最初のコメントを投稿しよう!