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機体が爆ぜるのが先か、敵を倒すのが先か。
水瀬伊織と星井美希が駆る満身創痍のストライクフリーダムとダブルオークアンタ・フルセイバーが顔を見合わせ、酔狂な二人をフォローするように宇宙を駆け抜ける。
左腕は千切れ飛び、右の翼も切り裂かれ、アンチビームバインダーは焼け焦げ……そんな状態でも、今のデスティニーは、限界を超えて稼動していた。
随伴機を置き去りにする程の高速で切り結ぶ中で、エピオンもデスティニーもその身を削り、互いに消耗している。
冬夜は、不敵に笑う。
じりじりと身を焦がすような緊張の中で、一撃を叩き込むその瞬間だけを待つ。
それは、酷く集中力を消耗する行為だ。
だが、今はその感覚すら楽しい。ランナーズハイに近い感覚だろうか。
「今度こそ、貴様は私がああああっ!!」
「こちらも負ける訳にはいかないんでな……!」
エピオンのビームソードを受け止め、ガーベラストレートの刃が砕ける。
冬夜は黒井の追撃を躱し、背中から対艦刀、アロンダイトを即座に引き抜き、切り返す。
エピオンの胴体に、横一文字の傷が刻まれた。だが、コックピットまで傷は至っていない。
「春香!」
「千早ちゃん!?」
黒いゼロカスタムとHi-νの間にビームライフルを連射しながら迫ってくる青いΖに、春香は感謝した。
あのままでは鍔ぜり合いに負けていたところだ。
「二人がかりでやろうって訳?上等よ!」
葵は思わぬ邪魔が入った事に憤慨しながらも、即座に千早を狙ってバスターライフルを放った。
光の奔流にΖの上半身の右側が飲み込まれ、機体がのけ反る。
「う……っ」
「腕の方はからっきしみたいね!」
「千早ちゃんはやらせない!」
春香は翼に似た背中の装備……フィン・ファンネルを展開し、黒いゼロカスタムを取り囲むように射出する。
フィン・ファンネルが繰り出すオールレンジからの弾幕砲火をかい潜りながら、葵は春香へ肉薄、銃剣を振りかぶった。
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