抱き枕

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「食品会社社長 上条 慎也…さん」 「それが俺の名前だ、覚えとけ」 サングラスを外しながら上条慎也がそう言い放った 「社長さんなんだ…てっきり……ヤクザかと思った」 ヤクザの言葉に上条慎也はギロリと睨みつけてきた…。 (ウワッ…恐っ) (マジかよ…俺ってそんなに人相悪いのか?) 「ヤクザじゃね…ガギンチョはその名刺に書いてあるのが読めないのか?」 「読めますよ……でも見た目とギャップからしてそう見えなかったもので…」 バカ正直なんだな…黒髪少女は…。 てかそんな社長さんがなぜ私に用があるんだ? 「で…バイトの件って何するんですか?」 「あぁ…バイトと言うのは俺の『抱き枕』なることだ」 「…………抱き枕?」 (黒髪少女露骨に引いてるし…) (まさか…私に援交の誘い?) 「別にセックスして報酬で金をやる訳じゃねぇし…それにガギの体に興味はねぇ…」 なぜ私が思ったことの答えが…私顔に出てたかな? 「……」 「とりあえず、ここじゃなんだから…俺ん家行くぞ!」 「えっ!!」 私は突然、上条慎也に手首を引っ張られて小走りする羽目になった 上条慎也…足が長すぎる!! 身長の低い私は必死で奴の背中を追いかけた 奴の家に着く頃には私は肩で息をするほど疲れ切っていた
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