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倶利伽羅「今回の件、御苦労だった。雅」
──…盗賊集団【月燐】本部
戦闘組“鬼灯”兼首領、倶利伽羅の自室に呼び出された雅は用意された椅子に一人座っていた。
そして倶利伽羅の右腕、副首領の弥勒は首領の横で静かに佇んでいる。
雅「別に、為すすべきことをしたまでだ。しかし直々に首領からの御言葉を貰えるとは、感激の極みだな…」
左胸に刻まれた紅蓮の刺繍に手を当て、素振りを見せる雅にその様子を見て怪訝そうに浮かべる弥勒。
雅「…でも、これで「はい終わり」、じゃないんだろ?」
弥勒の目を見て薄く笑う雅。
弥勒「…言葉を慎め。その減らず口を二度と開かなくしてやろうか」
倶利伽羅「よせ弥勒。それは処分が決まってからにしろ」
雅の挑発により、弥勒は帯刀している柄に手を掛けていたがゆっくりと下ろした。
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