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雅「…処分、か。ちょっと聞き捨てならない言葉を聞いたんだが、空耳か?」
倶利伽羅「いや、お前の耳が正常じゃなければな」
雅「フ……それで?何故私が処分なんだ?激励の御言葉を頂戴したばかりなのに」
倶利伽羅「鬼灯での活動はよくやっていると聞く。だが問題は『身勝手』と、『やり過ぎ』だ」
雅「……ほぅ」
真剣な眼差しを向け、それを雅は一つ眉をあげた。
倶利伽羅「俺の命令よりも先に行動を起こすのは頂けないと言っているんだ。下手をすれば死を招くことになるぞ」
雅「………」
弥勒「月燐の現状を知らないわけではない筈…。時が経つにつれ、造の性能が益々上がっていることでこちらの被害も拡がっている。仲間を失うことはしたくない」
雅「仲間……か」
力なくため息と共に言葉を吐き、笑みを浮かべて続けた。
雅「“死”というものは常に隣り合わせ。ここ(月燐)ではそんなものは別だと思っていたんだが…思い違いだったらしい」
弥勒「どういう意味だ…」
雅「別に。身勝手は致し方ない、そういう性分だ」
弥勒「…性という理由で解決する話ではない」
雅「では血がそうさせるとかは?」
弥勒「……貴様」
二人のなかに不穏な空気が流れる。
それを見かねた倶利伽羅は。
倶利伽羅「そこまでだ!…雅、処分の報せが来るまで自室で待機していろ」
雅「了解。軽い処分だと案じておく」
薄笑いを浮かべる雅は椅子から離れ、部屋を後にした。
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