第一章・終わりの始まり

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「えっ!もしかして、私に参加しろって言ってるの」 「参加費も旅費も、全て僕が出すから」 (ほら、やっぱり怒り出した) 付き合い出して二年も経つと言うのに、僕の意見が通ったことなんて、これまで一度たりとも無かった。 「旅費って、一体どこまで行くつもりなのよ!」 変な意味でテンションの上がっていく美歩から、目を背けた僕は小さく呟いた。 「……長野県」 「えっ!聞こえない」 「長野県だよ!」 僕のそのセリフを聞いた美歩は、呆れたように笑い出した。 「今が何月なのか知ってる?」 「十二月……」 僕の声は……次第に小さくなって行く。 「スキーに誘ってくれるならまだしも、サバイバルゲームをするために、わざわざ長野県まで行くの?」 毎年、誕生日プレゼントも、クリスマスプレゼントも決められず、結局は美歩に欲しい物を聞いて買うだけの僕……。 それが定番となってしまい、プレゼントをあげる意味さえ無くなっていた。 (だから、今年こそは……) 「僕は……僕は美歩と行きたいんだ!」 渾身の思いは、美歩に届いたのだろうか……? しばらくして、美歩は腕を組んで口を開いた。 .
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