第一章・終わりの始まり

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「そう言えばね、昨日の夜に『feis mask』について調べてみたんだ」 何かを思い出したように、突然話題を変えた美歩は、カバンの中からタブレットを取り出すと、手慣れたようにサイトを開き始めた。 「美歩って、もしかして……」 「えっ?うん、ネットゲームのfeis maskは得意なんだよ……それよりも、これを見て」 美歩はfeis maskの運営である【ソロモン】の公式サイトを指差した。 「これってソロモンの……」 「そう、でも書かれているのは開催場所である『クレニック』のことと、大元のパトロンである長野県のことだけ……」 美歩は、手慣れた様子でページをめくって行く。 「肝心なゲームの内容とか、賞品とかの情報は……ないのよね」 意外にも美歩はバーチャル世界の中の住人であり、もしかすると僕より『feis mask』については詳しいのかも知れなかった。 .
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