学園……それはフラグの量産工場。

2/46
47393人が本棚に入れています
本棚に追加
/641ページ
俺は……静かに剣を構えた……。 真っ直ぐに相手を見つめて剣を構えた……。 周りからの息を飲む声が聞こえてくるようだ……。 俺の見つめている相手も、俺と同じように剣を構えている。 俺は剣の切っ先を相手に向けて挑発するように言い放った……。 「かかってこい……○フォイ」 「だ、誰が○フォイだ!!」 何故俺が○フォイと剣を向き合ってるのかというと……。 それは数時間前の事だった。 俺がギルドを作ってから1ヶ月経った。 俺のギルドは中々有名になり、結構な人数が入っていた。 そのせいで俺が忙しくなってしまったのは誤算でもある。 そして今日は学校に編入するために今学校の学園長室にやって来ていた。 「えぇ~と、フォン・エクスレイト君と"ヒョウ・サカイ"君だったかな?」 無駄に長い荘厳な髭を持っている学園長が言った。 この人……明らかに100歳は越えてるんじゃねぇか? 「はい、学園──ジジイ」 「素直に学園長と言ったらどうじゃ!?」 このうるさいジジイはガイル・レプスライト。 このレプスライト学園の学園長であり最高責任者。 さらに地帝であり── 「まったく……『鬼の神』のギルドマスターが学生な事にまだ驚きじゃわい……」 「俺こそ、『玄き武』のギルドマスターが学園長って事に驚いたぜ?」 ──という事である。 ギルドマスターの定例会議という物があって、この国の五人のギルドマスターが全員集まり、クエストに関する情報交換などをという会議である。 当然俺もその会議に参加していたので、このジジイと知り合いという訳である。 「おい、ジジイ。早く俺達を教室に連れてけ」 「わかっとるわい。そろそろお主らの担任が来ると思うのじゃが……」 ガチャ、キィィィ…… 「すまん、ジジイ。遅れちまった」 「ちゃんと学園長と呼べ!!」 タイミング良く学園長室に入ってきたのは、髪の毛は赤色でボサボサになっていて、メガネをかけているが明らかにずれており、服はカッターシャツだが、所々ボタンが外れているのだらしない感じが溢れている。 俺、コイツに見覚えあるぞ……。 「おい、お前ら。早く教室に行くぞ」 「わかりました……炎帝さん」 学園長室から出ていこうとドアノブに手をかけていたが、ピクッと体が反応して止まった。
/641ページ

最初のコメントを投稿しよう!