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少しくらい掃除してくれよ……。俺、綺麗好きなんだからさ。
「あれ? リリエルは居ないのか?」
「ここはワシの部屋じゃぞ? 入れるのはワシぐらいなのじゃが……」
と言ってクソ爺が俺をジト目で見てくる。
「まぁ……。ワシの力を与えたから当たり前か……」
「そうそう。気にすんなって」
ここにリリエルは来たことないのか……。
くくく……。良いこと思いついた。
えぇ~と、何処にいるかなぁ~と。
あ、いたいた。座標特定シフトを逆にして……っと。
「なぁ。ここにリリエルは来たことないのか?」
「来たことないに決まっt「『強制転移』」……」
「あれ? ここは何処ですか?」
キョロキョロと辺りを見渡すリリエル。
ダラダラと汗を垂れ流しているクソ爺。
さぁ、どうなるかなぁ♪
「あれ? ク──最高神様と……子供?」
「違う違う。俺だよ、俺。忘れちゃったの? 俺だよ?」
「オレオレ詐欺ですか。あっ……このノリの良さは……雹さんですね」
「そうそう。でも、あっちの名前は『セイム』だから、そっちで呼んでほしいな♪」
俺はとびきりの少年スマイルでリリエルに言った。
「ボソッ……可愛い」
「ん? 何か言った?」
体中から寒気を感じるんだけど……気のせいだろうか。
「い、いえ。……それより、ここは何処ですか?」
「あぁ。それなら今、部屋をこっそりと出ようとしている奴に聞けば良いんじゃないかな」
「え?」
俺とリリエルの視線がこの部屋の出口に向かう。
そこには抜き足、差し足、忍び足の用法で部屋を出ようとしているクソ爺の姿があった。
「あの~最高神様。何処に行こうとしてるんでしょうか?」
「ト、トイレだぞい……」
「そうですか。なら、トイレに行っている間にこの部屋を掃除しておきますね」
「やめとくれ。お願いします」
あの年期の入った土下座……。見ている方が惚れ惚れするぐらいだぜ……。
「つまり、コレらは貴方の所有物という事ですね? 最高神様」
「…………」
「なるほど……。その沈黙は肯定と取った方が良いですね……。何か、言い残すことはありますか……?」
リリエルの後ろから般若が見えるよ!?
あんなの神様だろうが何だろうがビビるのが当たり前だろ……。
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