空白の五年間は気にしないで下さい。

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「ちょっと色んな物を創りに来たんだよ」 『色んな物……とは?』 この虎……嫌な質問をしてくるな……。 本当の事を言うつもりは毛頭ないし、かと言って嘘を言うのもな……。 仕方ないな……。適当に誤魔化すか。 「人には言えない物なんだよ」 『ほう。そんなに危険な物なのか?』 ここは真実を明かそうか。 「あぁ……。今から俺が創るのは、この世界を滅ぼしかねない究極の物だ」 『そんな物を此処で創るのか!?』 「心配すんな。別に兵器とかじゃない……。そうだな……便利な道具、とでも思っておいてくれ」 この世界をいきなり破壊するのは気が引ける。 別に全く壊す気がないけどな。 『便利なのに世界を滅ぼす物なのか?』 「ああ……。量産されれば一国は余裕で潰せるだろうな……」 完璧に複製することは必ず出来ないだろう。 さらに、俺の能力がバレて家族を危険にさらしたくないからな。 『お主は……いったい何者なのだ?』 「そうだな……。俺の事を詳しくは言えないが、お前らに害を成すものではない、というのは信じてくれ」 この虎からは殺意というか……戦闘意欲が全く感じられない。 多分今コイツは相手の実力をはかってるのだろう。 うん。賢明な判断だと思う。 『ふむ……私にその創造した物を見せてはくれないか?』 う~ん……。別に魔物が見ても悪用はしないか……。 「OK。見学を許可しよう」 『感謝する』 意外と義理が固そうだな。 虎はその巨体でおすわりして、俺の方も見つめていた。 そんなに見るなよ……興奮──しねぇよ。 「まぁ……始めは……これだな」 俺は手元に2つの槍を出した。 美しく伸びた長細い槍と、 何の装飾も無いのに何故か神々しい三ツ又の槍。 2つとも神話で登場したから出してみた。 『それは……何だ?』 「あぁ。これはブリューナクとトリシューラといってな、細いのは投擲すると何でも貫く『必貫』の能力があって、三ツ又のは傷の再生を不可にする『神殺し』の能力がある物だ」 ……自分が創っといて言うのもなんだけど、正直鬼畜な武器だと思う。 『ほう……武器の名前は聞いたことあるが……』 「そりゃあ聞いたことあんだろ。神話の神の武器の名前だからな。能力は勝手に付けたけどな」
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