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パチンッ
ギルドマスター室に着いた俺は、セイアが着ていたローブを指を鳴らして消した。
「……さて、セイアに話があるんだ」
「な~に~、パパ~♪」
それは大事な書類だぞ~。絶対に破いちゃ……破いたな。まぁいいや、どうせ直せるし。
「俺の……正式な養子にならないか?」
「なる~♪」
軽いな!? まぁ……その方が楽だからいいけど。
「よし!! ならセイアは今日からセイア・サンダロードだ!!…………と行きたい所だが、セイア・サカイだな」
「どうして?」
「う~んとな……俺の名前はセイム・サンダロードっていうんだが、学校ではヒョウ・サカイっていう違う名前を使ってるんだ。セイアと一緒に居ようと思ったら『サカイ』って家名を使った方がいいんだよ」
「うにゅう…………分かんないけど分かった」
まだセイアには少し難しかったか……。
そこで俺はセイアの服装と容姿を改めて見た。
服装はボロボロのワンピース。ただそれだけしか身に付けていない。
容姿は身体中泥まみれで、そのせいで端正な顔が台無しになっている。髪はくすんでいてあまり分からないが、多分銀色だと思う。
風呂に入れないとな~……でも一緒に入ると俺の紳士が爆発するかもしれないし……。
そうだ、久しぶりにアイツを呼ぼう。
「レスト来~い」
俺がそう言うと、緑色の魔方陣が俺の横に出てきてそこから青髪の幼女が出てきた。
「まだまだ!!…………って、あれ? ここは何処?」
「ここは俺のギルドの自室だ」
「うわっ!? セイム!?」
驚いているレストは何故か剣を持っていた。さっき……一体何をやっていたんだ……?
「おう、久しぶりだな。あまり呼ばなくて悪かった──ぐふっ!!」
突然レストが抱き着いてきた……俺の鳩尾に。
「ど……どうした……? 何か嫌な事でもあったのか……?」
鳩尾の痛みは今最高潮です。胃から何かが飛び出そうです。
「……最近……会ってなかったから寂しかった……」
確かに、ギルドが出来てから俺は家に帰る事が少なかった。特にここ最近はまったく帰ってなかったからな。
「そっか……ごめんな。これから出来るだけ帰るようにするさ」
「当たり前だ……あの家はセイムの居場所なんだから……」
俺はレストの頭を撫でる。俺はレストの髪がサラサラで気持ち良いからやってるのだが、レストも気持ち良さそうだ。
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