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「そういう事だ。コイツを綺麗にしてやりたいから一緒に風呂に入ってやってくれ。俺はやる事があるから」
「……分かった。セイアちゃん……だっけ?」
レストは少し屈んでセイアに語りかけた。レストも充分小さいから"少しだけ"屈んだんだな。
「何? レストお姉ちゃん♪」
「お、お姉ちゃん……!?」
レストは顔を真っ赤にして驚いていた。レストもセイアの可愛さにやられたようだな……。
「……どうせなら、ママの方が良かったな……」
レストが何か呟いていたが、俺はセイアの可愛さに悶えていたので聞いてなかった。
「お姉ちゃん? どうしたの?」
「い、いや!! 何でもないぞ!! ……じゃあ、お風呂に行こっか?」
「うん♪」
「セイム、ここのお風呂は何処にあるんだ?」
「あぁ、ちょっと待ってろよ……」
俺は本棚の近くまで行きポケットをまさぐる。俺がポケットから手を出すとそこにはボタンがびっしりのリモコンがあった。
「ポチっとなっと♪」
俺がボタンを押すと本棚が真ん中から割れて左右に別れる。本棚が完全に左右に別れて止まるとそこには大きな扉があった。
俺が『風呂場』と書いてあるボタンを押すと扉が『承認しました』という機械音を出して開いた。
「この道をまっすぐ行けば風呂場だ──って何固まってんだよレスト?」
セイアはまだ書類を破りながら遊んでいるが、レストは俺が開けた風呂場への道を見て固まっていた。
「いや……驚くなという方が無理がある……」
まぁ、その通りですな。
俺は色々としたい事があったのでレストに『さっさと風呂場に行け』と言うと、『覗くなよ?』と言ってセイアを連れて風呂場に向かっていった。
…………さっきのはフリなのか? フリだとしたら覗きにいかないといけないのだが……フリじゃなかったら殺される。
死なないけど精神的に殺される。それだけは絶対に嫌だ。
まぁ、フリじゃないなんて分かってんだけどな。第一、セイアが居るのに覗きなんてしない。
「さて……始めますか!!」
俺は頭から覗きという言葉を弾き出して、目の前の事に集中する事にした。
俺が目の前に置いたのは斬咲。俺はこれを改造しようと思うのだ。
しかし、もう付け加える能力は決まっている。その魔方陣を鞘に描くだけだ。
俺は簡単そうに言ってるが実は無茶苦茶難しい。職人でも出来ないと思う。
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