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「パパは仕事をするから静かにしてろよー」
「うん♪」
俺の言葉に可愛らしく返事をしたセイアはソファーに寝転んだ。どうやら寝るみたいだな。
俺はちゃんと寝息が聞こえてから仕事を始めた。日に日に書類が増えてくるのは嫌だな……。
しかも、今日は特に書類が多い。明日のギルド依頼体験の書類があるからうざったい。こんなの適当に受けさせりゃあ良いのにな。
第一、俺のギルドに来る奴なんか居るのか? 来るとしたらかなりの物好きだと思うんだがな……。
俺はそんな事を考えながら黙々と仕事をしていくと10分で終わった。
うん、予想以上に早かった。まさか10分で終わるとは思わなかったぜ。
「セイアー、起きろー」
俺はソファーで寝てしまったセイアを体を揺すって起こしている。
寝顔写真をこっそりと撮ったのは内緒だ。
「うにゅ……ふみゅう……」
「こら!! 二度寝すんな!!」
「ふぁ~……パパおはよう~♪」
セイアは眠たそうに目を擦りながら起きた。まだ目が虚ろで眠そうだ。
「まだ『こんにちは』だけどな。今から俺の家に帰るからな~」
「うにゅ!? パパのおうちに早く行きたい!!」
な、何でいきなりテンションが上がったんだ……? そんなに嬉しかったのか?
「じゃあ、行くぞー。転移」
目の前がギルドマスター室から俺の家の玄関に変わった。
「ここがパパのおうち? デカーイ」
「おう、これでも結構偉い貴族なんだぞ。かといって権力を行使した事なんかないけどな」
全て武力と情報で解決してるからな。具体的には武力で脅迫、個人情報で脅迫……だな。
「入ろ!! 入ろ!!」
「うし、じゃあ入るぞー」
俺の家に関してはあまり語る事がない。とにかく豪華で大きいだ。
セイアは入った瞬間にほぇ~と可愛い声を出した。さらにみんなで食事をするダイニングや俺が珍しい調理器具を揃えたキッチン、俺が無理矢理空間を拡げた鍛練場。
セイアはこの全ての場所でほぇ~と感嘆の声を上げていた。
「……ふぅ、これで全部だ。あとは各個人の部屋だから勘弁な?」
「うん♪ わかったー♪」
流石に俺でも母さんやレイリの部屋、執事やメイドさんの部屋を勝手に紹介するのは気が引ける。
あっ、別に父さんの部屋は関係ないぜ。変な物がいつも散乱していても関係ない。てか、それを見てセイアが父さんを嫌いになってくれればラッキーだ。
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