ギルドはテンプレの宝庫…………ではなかった

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「……あ、あに様。帰って……」 「げっ、レイリかよ……」 タイミング良くレイリとバッタリ会ってしまった。 それに、レイリが来たときに俺の後ろに隠れたセイアを見て固まってしまった。 「あに様……? その子は一体……?」 「捨てられたから俺の娘にしたセイアだ」 これなら大丈夫な筈だ!! 「あぁ、この子がレストさんの言ってた……」 なんだ……レストはちゃんと伝えてくれたんだな……後で感謝しないと。 「──不倫相手との子供ですか……!!」 前言撤回。感謝どころの問題じゃなくなった。アイツは後でお仕置きしてやる。 「ま、待てレイリ……なんで釘バットなんて構えてるんだ……?」 というか何故釘バットなんかを持っている。 「あに様なら……分かりますよね?」 「いえ、分かりません。こんな理不尽な事分かりたくありません」 俺はそう言いながら少しずつ後ずさっていく。 「逃がしませんよ?」 くそっ!! なんでこういう時のレイリは俺より速いんだ!! 「や、やめろレイリ……。ここにはセイアが……」 「セイアちゃんなら……ほら」 レイリが指を差す方を見てみると俺の家のメイドさんがセイアを保護していた。 俺は……メイドにまで裏切られたのか……orz けど、初対面のメイドさんにセイアが着いていく訳がないんだがな……。 ん? メイドさんがセイアに何か言ってるな……。俺の読唇術て確認すると…… 「私と一緒に来たらセイム様にいい子いい子してもらえますよ~」 「わ~い♪ お姉ちゃんに着いていく~♪」 あんの糞メイドがぁー!! 何でうちの使用人は性悪な奴しか居ないんだぁー!! うちのセイアをあんな方法でたぶらかすなんて……卑怯すぎる!! 「さぁ……あに様……逝きましょうか……」 「待て!! 話し合えば分かる!! それと字がちょっと違うから!!」 俺はレイリに少し抵抗してみる。無駄な抵抗かもしれないが、少しでもレイリの気が収まれば── 「問答無用です♪」 ──良かったんだけどな~。 その後、俺は1時間のお仕置きのあと、レストが倒れていた俺を見つけて反省したらしく、本当の事をレイリに話してくれた。 「す、すいませんあに様!!」 「あ、あぁ……別にいいぞ……。無理をしてでも話さなかった俺も悪いし……」 もう……心身共にボロボロです……。
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