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「あっ、セ……ヒョウさん……」
「おぉ、フォンじゃん。やっぱお前もここに来るよな」
転移したら丁度近くにフォン達が居た。ルタ達と話したくなるが、バレないためにここは我慢だ我慢……。
「あれぇ? 転校生君もこのギルドなのぉ?」
青髪ツインテっ子ことルタが俺に訊いてきた。
「転校生じゃねぇ、ヒョウ・サカイだ。あと俺は確かにここのギルドに所属している」
「マジかよ!? 一体誰の紹介なんだ?」
赤髪弄られっ子ことレンがこれまた元気そうに訊いてきた。
「まぁ……偉い人だよな……?」
俺はフォンに同意を求めるように言う。
「そうですね……確かに偉い人です」
フォンは意地悪そうに笑ってみんなに言った。誘われてないが一応俺自体が偉い人だからな。
「んじゃあ、中に入るぞー」
俺の言葉と共に俺達のグループとフォン達のグループがギルドの中に入った。
中に入ると最初に目に入る光景は──
「あぁー!! お前また3オチしやがったなー!!」
「うるせぇ!! まだ上位に上がったばっかなのにティガレ○クスを一人に任せる奴が悪い!!」
「いや、お前が『ここは俺に任せてお前らはもう一匹を頼む!!』とか言ったんだろうが」
「ぐっ……でも助けてくれたって……」
「それもお前が『助けなんていらねぇ!! お前らは……自分に出来る事を先にやっといてくれ!!』とか言ったんだろうが」
「ぐはっ!? ここに俺の味方は居ないのか……!!」
…………もう何も言うまい。ゲームを渡した俺も悪いけどさ……。
というか死亡フラグをやたらと建てているバカが居たな。あれじゃ3オチするのも無理はない。
「な、なんですの……これ……」
緑髪高飛車っ子ことリアがギルドの中を見て唖然としていた。
「このバカな大人達は気にしないでください……では受付へ行きましょう」
フォンはみんなを受付へ案内してくれた。フォンの性格が俺の時と少し違うのが腹が立つ。
「ようこそセ……ヒョウ様、フォン様。今日は確かギルド依頼体験の日でしたね」
俺のギルドの綺麗な受付嬢、マリアさんが営業スマイルで対応してくれた。
「営業スマイルではありません。心からの笑顔です」
「なっ……!? 心を読むな!!」
この受付嬢は侮れない……戦闘でもゲームでも読心術に関しても……。
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