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みんなはホケーとした顔で俺の言葉を聞いていた。
「ま、俺が居る限り酷い傷は負わせないようにするから安心しな」
俺はそう言ってカイトの背中をバンバンと叩く。
「イタッ!! 痛い痛い痛いっ!! 力強すぎるっ!!」
「おっと、みんながあまりにも間抜けな面してるから空気を和ませようと思ってな」
俺はそう言いながら依頼の事を少し考えていた。
…………このクエストってフラグじゃね?
だってドラゴンは群れる事があまり無いみたいだし、群れても最高5体ぐらいだ。こんなドラゴンの生態を知ってるのは、世界でも指を数える程にしか居ないがな。
これは魔族フラグかもしれない!!
…………でも魔王ってあのエリーだよな? バカみたいに強そうだが、あのドジっ子幼女エリーだよな?
エリー今は家で大人しくセイアと寝ている。エリーは朝に呼び出して、俺がまたレイリに殺られそうになったが使い魔だと何とか説明して納得してくれた。
朝に呼び出したのに、すぐに家に馴染んでセイアともすぐに仲良くなってしまって一緒に寝てしまった……という訳だ。
美幼女二人が仲良く寝ている姿は可愛すぎて思わず写真を撮ってしまった…………1000枚ほど。
話がそれたな。魔族の話からつい幼女の話に移ってしまった。
10年前のあの日……魔族は俺の家を襲ってきた……確かな殺意を持って。
俺は何も考えずにすぐ殺してしまったが、今思えばあれはおかしな話だった。
あの時の魔王は穏健派で人間とは仲良くしていこうとか言っていた筈である。なのに、あの夜……え~と……名前忘れたけど、魔族が俺の家を襲ってきた。
という事はあれは魔王の命令ではなく、独断か……下手したら魔王の側近の誰かの可能性がある。
旅をしてる時に一応魔族の住む『魔境』に行ってるが、魔族はみんな優しそうな人で少し安心した覚えがある。
魔王城の中にも入って多分エリーの父さん……所謂前魔王にも会ったが、中々気さくで優しそうな人だった。
人間である俺に優しくしてくれ、さらに宴会までしようと言ってくれたが拒否した。
魔王城で何人か俺に向けて殺気を放っていた奴がいたが、逆に殺気を放って、泡を吹いて気絶させた。
下手したら気絶させた魔族の中に人間を襲うよう指示させた人がいるかもしれない。
あと、魔族はチョー強い。俺以外の人間なんて足下にも及ばない。セイアが本気を出せればやっと幹部を倒せる強さだ。
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