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俺はエリアを出して空間隔離を取り消す。エリアが無いと空間隔離が取り消せないのもエリアの特徴だな。
俺は空間隔離が解けたのを確認したら、居合い切りの構えをとる。今にもカイトに襲いかかりそうになっているドラゴンの首を俺は斬咲で斬った。頭と胴体が別れたのも分からない速さで斬ったのでドラゴンは動かない手足を見た瞬間に崩れ落ちた。
ドラゴンの死体を回収して血を洗い流した俺はカイトの近くに転移した。そして俺はタンコブが出来るくらいの威力でカイトの頭に拳骨をした。
「~~っ!?」
カイトはあまりの痛さに頭を抱えて悶絶した。はっ、コレが自分の命の危険に晒した罰だ。
「け、怪我人に対して酷い仕打ちだよ……」
「黙れ、俺は言ったよな?『使い魔と共闘しろ』って。お前は何で使い魔を出さなかった?」
俺の雰囲気に押されたのか、カイトは言い返してこなかった。
「使い魔を出したらお前の秘密が露見するからか? 自分一人で倒せるとか思ったのか? そんなお前の自己満足必要ねぇんだよ」
俺の言った言葉が図星だったのかカイトはさらに俯いた。
「お前はここに死にに来たのか? 俺達はここに修行しに来たんだ。お前みたいに自分の力を過信して死にかけるような奴は絶対に強くなれない。魔力が多くて属性が多いからEXランクになった? ふざけんなよ"時空の操者"」
俺がその二つ名を呼ぶとカイトは俯かせていた顔をバッと上げた。顔には『何で知ってるの?』と書いてあるような気がする。
「周りからチヤホヤされてろくに特訓とかしなかったんだろ? 魔力が多いからって人は強くなれる訳ねぇんだよ。お前は努力をしらない。さっきのお前の闘いは努力してる人達に対する冒涜なんだよ」
「別にそんなつもりじゃ……」
カイトが今になって反論しようとした。駄菓子菓子!! まだ俺のターンは終わっちゃいないぜ!!
「そんなつもりじゃなくても周りはどうだ? お前の知らない場所でお前の事を恨んでるかもしれないぜ? 『俺みたいに努力してないくせに……』とかさ。しかしお前は努力をした覚えがあるか? どうせ教えられた魔法を一発で使えるようになったり、身体能力が何故か一時期に比べて大幅にアップしてたり、そんな才能に頼って魔力コントロールの練習とかしなかったんだろ? どうだ? まだこれでも何か言い返す言葉があるのか?」
カイトは俯いたまま何も言わなかった。
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