空白の五年間は気にしないで下さい。

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「えっと……何処に置いてあったっけなぁ……。あれぇ? 何処だぁ~?」 明らかに机の上に水晶のような物があるんだが……。 「父さん……。机の上にあるのは何なの?」 「え? ……あ! コレが魔力測定をする物だぞ。知ってたか?」 何だコイツ……?今『あ!』とか言ったじゃねぇか……。 「それより、どうやって魔力を測るんですか?」 この熱血漢と絡むのは面倒くさいので早く終わりたいのである。 「あぁ。そこに魔力を注入するだけでいい。魔力の出し方はわかるか?」 「はい。わかりました」 俺は水晶に手をつけて、自分が設定した魔力を流す。 「ほう……1000か……。平均の倍ではないか。流石私とエルスの息子だな」 と言って頭をクシャクシャと撫でられた。 俺は手を払いのけて 「そっちの水晶は何ですか?」 俺は魔力測定の水晶の横にある水晶を指差した。 「こっちは属性判別の水晶だ。こっちもやるから魔力を流してくれ」 なるほど……。このままやると属性が全部表示されるだろうから……。 「ほう……流石だな。まさか属性が"雷"と"光"と"聖"とはな……。心が清い証拠だな」 ……という風に属性を任意に指定出来るのです。 森で確かめてる時に気づきました。 「それじゃあお父さん。……さようなら」 と言って俺はすぐにお父さんの部屋から出た。 あの部屋は暑苦しいんだよ。 「あら? セイム、早かったわね?」 「あの部屋は嫌いなんで……」 「貴方でさえそう思ってたのね……。私は会った頃からもう諦めたけどね……」 あ、母さんが何か遠い目をしている。 昔もあんなに暑苦しかったという事なんだろうか……。 想像するだけで吐き気がするよ……。 「あに様。どうしたんですかぁ?」 レイリが目を擦りながら二階から降りてきた。 あに様というのは俺の事である。 お兄様から砕けたらしい。 「さっき魔力を測定してきたんだよ」 「まりょくぅ? それってなんですかぁ?」 「魔力は身体に流れるエネルギーみたいなものだよ。簡単に言うと……レイリが動けるのは魔力のおかげなんだよ」 実際には違うが、この世界ではそういう事になってるらしい……。 数学や物理と言った理数系は俺がいた世界より劣っているらしい。
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