47408人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと……何処に置いてあったっけなぁ……。あれぇ? 何処だぁ~?」
明らかに机の上に水晶のような物があるんだが……。
「父さん……。机の上にあるのは何なの?」
「え? ……あ! コレが魔力測定をする物だぞ。知ってたか?」
何だコイツ……?今『あ!』とか言ったじゃねぇか……。
「それより、どうやって魔力を測るんですか?」
この熱血漢と絡むのは面倒くさいので早く終わりたいのである。
「あぁ。そこに魔力を注入するだけでいい。魔力の出し方はわかるか?」
「はい。わかりました」
俺は水晶に手をつけて、自分が設定した魔力を流す。
「ほう……1000か……。平均の倍ではないか。流石私とエルスの息子だな」
と言って頭をクシャクシャと撫でられた。
俺は手を払いのけて
「そっちの水晶は何ですか?」
俺は魔力測定の水晶の横にある水晶を指差した。
「こっちは属性判別の水晶だ。こっちもやるから魔力を流してくれ」
なるほど……。このままやると属性が全部表示されるだろうから……。
「ほう……流石だな。まさか属性が"雷"と"光"と"聖"とはな……。心が清い証拠だな」
……という風に属性を任意に指定出来るのです。
森で確かめてる時に気づきました。
「それじゃあお父さん。……さようなら」
と言って俺はすぐにお父さんの部屋から出た。
あの部屋は暑苦しいんだよ。
「あら? セイム、早かったわね?」
「あの部屋は嫌いなんで……」
「貴方でさえそう思ってたのね……。私は会った頃からもう諦めたけどね……」
あ、母さんが何か遠い目をしている。
昔もあんなに暑苦しかったという事なんだろうか……。
想像するだけで吐き気がするよ……。
「あに様。どうしたんですかぁ?」
レイリが目を擦りながら二階から降りてきた。
あに様というのは俺の事である。
お兄様から砕けたらしい。
「さっき魔力を測定してきたんだよ」
「まりょくぅ? それってなんですかぁ?」
「魔力は身体に流れるエネルギーみたいなものだよ。簡単に言うと……レイリが動けるのは魔力のおかげなんだよ」
実際には違うが、この世界ではそういう事になってるらしい……。
数学や物理と言った理数系は俺がいた世界より劣っているらしい。
最初のコメントを投稿しよう!