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「なんでだ……! なんでだよ……!」
俺は必死に走っていた。
一心不乱に走り、真っ直ぐに自分の家に向かっていた。
別に後ろから犯罪者が迫ってくる訳ではない。
ドカァァァン!!!!
「うわっ!?」
くそっ……! またかよ! 俺は必死にある物から逃げていた。
それは──
「何でこんなに雷降ってんだよ!!」
──雷だった。
別に台風が来た訳じゃない。
今日は雨の確率は0パーセントで、学校に行くときは雲一つ無い大空だった。
だが、帰る途中にいきなり黒い雲が空を覆って、暴風、豪雨、大量の雷がきた。
しかもその雷は、さっきから俺の近くに落ちてくる。
さっきの大きな音は雷が地面を抉る音だ。
「よし……! 家が見えて──」
ピカッ!!
「え?」
空から落ちてくる大きな光に包まれて──
ドカァァァン!!!!
──そこからの記憶はない。
目覚めると俺は真っ白い空間に居た。
あれぇ?
何か携帯小説でもこんな事が起きてような気がする。
むぅ……。この感じはまさか俺……。
死んじゃった、のか?
いやいやいや、そんな訳ないよな。
まぁとりあえず、今一番言ってみたい事を言おうかな。
「……知らないt「目覚めましたか?」言わせてくれよ!!」
と、誰かが人生で一度は言ってみたい事を邪魔をしてきた。
俺が起き上がるとそこには──
「わぁお……」
驚く程の絶世の美女が居た。
腰まで伸びたウェーブのかかった髪。
きちんと整った顔。
スタイルは勿論ボンッ、キュッ、ボンッである。
肌は日焼けなど一度もしたことが無いような純白の肌である。
そして背中にある翼。
どれを取っても絶世の──
あれぇ? 一つおかしいのがあるなぁ?
もう一回深呼吸をして見てみよう。
「スー、ハー……」
「?」
絶世の美女は不思議そうに首を傾げていた。
ヤッベ、可愛い……はっ! そんな事より……。
冷静に分析だ……。美女の情報をもう一回おさらいしてみよう。
綺麗な髪。
うん。普通だな。
整った顔
よろしいですな。
完璧なスタイル
女性が羨ましがるだろうな。
純白の肌
スベスベしてそうだな。
背中の翼
はい。おかしいね~。
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