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俺は右手に赤黒く禍々しい剣を。
左手に真っ黒な剣を出した。
「何だ……ソレは……?」
と言いながらハスラは右手にあるサーベルを構えた。
「手の内を教えるほどバカじゃない、ぜ!!」
俺はハスラに向かって真っ黒な剣で斬りかかる。
当然のように、その細いサーベルで受け止められた。
「へっ……やるね!」
「はっ! ……そちらこそ!」
俺はひたすら真っ黒な剣でハスラに斬りかかる。
もう見切られた様で、少し体を横にずらして避けようとしたが。
「ぐはっ!! な……何故だ……?」
ハスラの右腕は無かった。俺が斬り落としたのである。
しかし、ハスラは完全に避けたハズと思ってるらしい。
やれやれ……少し種明かしをさせてもらうか。
「この真っ黒な剣はな、『ティルヴィング』って言うんだよ。能力は『呪い』だ」
「『呪い』……?」
斬られた右腕を押さえながら訊いてきた。
「そう『呪い』だ。この剣に触れた相手にありとあらゆる『呪い』をかける事ができるんだ。触れたのが相手の持っている所有物でも可能なんだ。実際に今お前がかかっている『呪い』は"幻の呪い"だ。お前に幻覚を見せる『呪い』だ。つまり、お前はもう俺に勝てない」
この剣に触れただけで『呪い』をかけられるんだから実に鬼畜な武器だと思う。
「だから、この家から出てけ。素直に出ていかなければお前を…………殺す」
俺は殺気を込めた目線でハスラを見た。
この場面で出ていかなければ、ただのバカだって事だ。
「ふはははは!! 手の内が解れば対処法はあります。貴方なんてすぐひねり──」
ドッ!!……
俺はありえない速度で、右手にある赤黒い剣でハスラの腹を貫いた。
「おや? あまり痛くないですね。黒い剣に比べて能力が強くないんじゃ──」
「──喰らえ。『ダーインスレイヴ』」
俺がそう言うと、刀身が紅く染まった。
「いったい……何を……っ!?」
「気づいた様だな……」
「貴様……私の血を……」
そう『ダーインスレイヴ』は血を求める剣。俺が命令すると相手の血を徹底的に喰らい尽くす剣である。ある意味コレもチートである。
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