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「……お前の死因はこの家から落とそうっていう甘い考えのせいだ。まぁ、俺が居なければ勝てたかも──って、もう聞こえてないか」
ハスラはもう全身干からびて、見るも耐えない姿になっていた。
俺は剣を亜空間にしまい、父さんの方に歩いていった。
「く、来るな……!」
「? どうして?」
「お前……みたいな"化け物"……俺は……知らない……ぞ!」
"化け物"……ね。
確かに的を射てるかもしれないな。
人類でも最強クラスの実力を持つ、雷帝である父さんを倒したハスラを俺が一瞬で倒したんだからな。
つまり……5歳児にして、もう人の域をとっくに超えてるわけだからな……。
「大丈夫だよ。俺は今日でこの家を出てくから」
「何だと……?」
「俺が"力"を見せれば、この家に拒絶される事なんて知っていた。今から、父さんの傷を治した後、記憶を消させてもらうよ」
「お前は……それで……いい、のか?」
「うん。一年毎……そうだね、レイリの誕生日にはプレゼントを置きに来ますよ。それに……色んな国に行ってみたいしね。……『ヒール』」
俺は父さんに手をかざして魔法を唱える。
すると、みるみる傷が癒えてくではありませんか。
「ふぅ……これでもう立てるでしょう?」
「あ、ああ……」
父さんはまだ体が動かしにくいらしく、まだ動作がぎこちない。
「まぁ……さっきは消すと言いましたが、そんな事はしません。俺が父さん達にやるのは『記憶封印』だ」
「『記憶封印』……?」
「そう。『記憶封印』は、俺がある条件を設けて局所的な記憶を封印する。封印されてる間はその記憶は思い出せない。しかし、封印する時に設けた条件をクリアすればその封印は解ける。今から俺が設ける条件は……『今から10年後』だ」
「10年後……か」
「ああ。10年経つと俺の記憶が蘇る」
つまり……俺が15歳になった時だな。
「もう……お別れの時間だ。じゃあな……『記憶封印』」
俺の手を父さんの頭の上にかざすと、俺の手から淡い光が出てその光がなくなると父さんは倒れた。
さて……次は母さん達かな。
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