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「あの夜の事……ちゃんと説明してちょうだい」
「やはりその事か……」
「あの夜……詳しいことは貴方に訊きなさいってセイムが言ってたからね」
セイム……多分、面倒くさい事は私に任せただけだろうな……。
「ああ、話そうか……。あの夜──」
私は、私とセイムに起こった事、セイムの力と、私がセイムに対して言ってしまった事を言った。
すると──
パシンッ!!
私の頬から大きな音が鳴り響いた。
私は一瞬何をされたかわからなかった。
数秒経つと、ああ……私はビンタされたのか、と感じた。
「貴方って人は……!」
「わかってるさ。だから、今日謝るつもりだ」
「今日?」
ん?わからないのか?
「ああ。おそらく今日、セイムは帰ってくるだろう」
「本当!? 本当なの!?」
肩を持たれてユサユサと振られている。
うっぷぇ……吐きそう。
「記憶を戻した日に帰ってくるのがセイムらしいだろう?」
最後に見たセイムの顔は、また会いましょう、と言ってるような顔だったからな。
「ふふ……そうね。あの子らしいわね……」
エルスも苦笑して話に乗っかってくれた。
「さて、セイムへの宴の準備でも──」
ドカァァァァァァン!!!!
いきなり、屋敷全体が揺れるような爆発が庭から起こった。
またも私の宴の準備を妨げる者が居るのか!?
「えぇい!! 誰だ……中庭で何かした奴は……」
私は執務室の窓を開けて庭を見た。
するとそこには──
「──レイリではないか」
「え? レオン、本当ですか?」
エルスも私の横に立って、窓の外を見た。
やはりそこには──
「本当……。確かにレイリですわね……」
庭に居たのはレイリだった。
しかし、レイリは一人ではない。
レイリの前に立っている黒いローブの男と戦闘していた。
いったい……誰なんだアイツは……?
side out
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