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side セイム
屋敷まで続く道をずっと歩いていくと、庭にとても可愛い女の子が居た。
「まさか……レイリか……?」
ちょっとだけ近づいて見てみるが、昔のレイリから断然に可愛くなっていた。
「妹の成長は兄として嬉しいぜ……!」
さて……ちょっとからかうか……。
俺は黒いローブを創造して、全身に纏った。
「何て声をかけようかな……」
頭の中に選択肢が浮かんできた。
1、『君が……好きだ!!』
2、『僕と付き合ってください』
3、『僕と結婚してください』
まともな選択肢は無いのか!!
最後の選択肢なんてただのプロポーズじゃねぇか!!
「はぁ……仕方ないな……。父さんの知り合い風で行くか……」
俺は転移でレイリの後ろに来た。
「そこの嬢ちゃん」
「っ!?」
レイリは俺から離れるように飛び退いてしまった。
あれ? そんなに驚く事か……?
「あ、貴方は誰ですか!?」
ふむ……ここは設定通りの展開だな。
「俺か? 俺はだな……此処の客だ」
此処でレイリが『あ、そうだったんですか?』とか言えば設定通り──
「嘘をつかないで」
…………orz
やっぱり、現実ってそう簡単に動いたりしないもんだな……。
それと、即答された事に少し傷ついた……。
「と、とにかく! 侵入者は出ていってください」
レイリは人の話を聞かない子になってしまったのか……。
「それはできないな」
「な、何故ですか?」
「俺は……と──いや。レオン・サンダロードに会いに来たんだ」
久しぶりに帰ってきたんだ。
一年に一回は此処に来ていたが、屋敷の中に入るのは少し気が引けたからな……。
それと……出ていけと言われて出ていくバカは居ない!!
「──しかし、ここを通す訳にはいかないですね」
「へ? 何で?」
ちゃんと説明したのに……まだ聞いてないのか?
「どうせ、お父さんの命を狙う輩なのでしょう?」
「だからちg「問答無用!! 覚悟!!」えぇぇぇぇ!!」
いきなり、レイリが剣を持って襲ってきた。
俺は亜空間からティルヴィングを出して剣を構えた。
「ハァァァァ!!」
ガキィィン!!
剣と剣がぶつかり合う音が響く。
レイリ……強くなったな。
身体強化も使えるようになってるしな。
因みに身体強化とは魔力を筋肉に集中させて、筋力を上げる技である。
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