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最上級魔法が使えるレベルまで達すると大抵の奴は使える。
俺か? 俺はもちろん使ってないぜ?
俺が身体強化なんか使ったら速すぎて誰も見えなくなるだろうしな。
こんな事を考えながら、レイリから飛んでくる斬撃を全てガードしていた。
ちょっと挑発してみるか……。
俺はつばぜり合いに持ち込んで囁いた。
「君の力はこんな物か? ……だとしたら拍子抜けだな」
「はい?」
キャー!! レイリの後ろに般若が見えるよう……((・д・))ガクブル
レイリは思いっきり飛び退いて詠唱を始めた。
「神々がもたらす聖なる雷よ、我に逆らう者に裁きの鉄槌を!! 降り注げ!!『ホーリーサンダー・ジャッジメント』!!」
マジかよ!? 中級合成魔法じゃねぇか!?
例え中級の合成魔法でも最上級並みの威力はあるんだぞ!!
この屋敷を吹っ飛ばす気かよ!!
「くそっ……バカ野郎が……!」
俺は亜空間からある剣を取り出した。
しかし、それは剣と言うにはおかしかった。
木で出来た剣だったのだ。
「はっ! そんな剣で大丈夫なの?」
絶対に倒せるという自信があるためか、とても偉そうな口振りで話しかけてきた。
後でお仕置き決定だな……。
「見た目で物を判断するんじゃねぇぞ」
……光と雷と聖の合成中級魔法、『ホーリーサンダー・ジャッジメント』は術者が発動してから五秒のインターバルがある。
ま、威力が高すぎるから溜めるのにちょっと時間がかかるだけだどな。
「じゃあ、大人しく雷に打たれなさい!! いけ!!」
いきなり、空に神々しく輝いた雲が現れて、その雲からこれまた神々しく輝いた雷が放たれた。
それに対して、俺は木の剣を掲げているだけ。
しかし──
「切り裂け!! 『バルムンク』!!」
その雷がバルムンクに当たると……
ドカァァァァァァン!!!!
……なんと、轟音をたてて消えてしまった。
あ~あ、さっきの音で父さんと母さんも気づいちまったじゃねぇか……。
「な……んで……?」
魔力をほとんど使いきって息が絶え絶えになっているレイリが訊いてきた。
「さっきのはな……魔法を切ったんだ」
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