あ、空白の10年間は気にしないでね☆キラッ

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「へ……? 勝負って何? それにあそこで倒れているのは……」 「それは、俺が訊けばわかる」 俺は気絶している偽者の方までゆっくり歩いていった。 「おーい。起きろ~」 「あばばばば……ハッ! ここは何処だ……」 いちいち叩いて起こすのが面倒だったので電流を流した。 「ここは庭だ。そしてお前は俺に負けた。わかったか」 「……そうか。なら、どんな質問にも答えよう」 その心意気は良いが、今からお前をどん底に落としてやる……。 「じゃあ嘘をつくなよ? いいな?」 「ああ。必ず嘘はつかないと約束しよう」 よし! 確認も取った……。 これで何の憂いもなしに質問できるぜぇぇ!! 「じゃあ訊くぜ……お前は誰だ?」 「私か? 私はセイム・サンダロードだ」 「え!? あに……お兄様なの!?」 後ろでレイリが驚いている。 コイツ……!! 「……嘘をつくなと言った筈だ」 俺は、ただのナイフを出して首に突きつけた。 「お、俺は嘘なんかついてないぞ!! 何か根拠でもあるのか!!」 「おい! 嘘をついていないと言っておるではないか!! 離してやれ!!」 父さん……まだコイツの嘘に気づかないのかよ……。 とか言っても、俺以外皆気づいてないみたいだけどな。 「丁度良いから俺の名前を言ってやるよ……。俺の名前は──」 俺は黒いローブを脱ぎ捨てて偽者に向かって言った。 「──セイム・サンダロードだ」 シーン………… あれ? 何でまたこんなに静かになるんだ? 「嘘だろ……! ほ……本物……!」 「おい! 今自分で偽者だと証明したな?」 「あ……!」 今気付いたようだがもう遅い。 「セイムが……二人?」 「アンタはそろそろ気付け!!」 父さんは変な事を言っていたので、ツッコンでしまった。 何なの? 父さんバカなの? 死ぬの? 「ほらよ。コレが証明だ」 俺は亜空間からある二つの剣を出す。 ……そう。魔王の部下のハスラを倒した、ティルヴィングとダーインスレイヴだ。 「おお……。その剣はまさにセイムが使っていた剣だ……」 やっとわかったか……。
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