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「さ、最高神様!? いったいどうしたんですか!?」
明らかにモブキャラっぽい男の神がクソ爺を心配していた。
「いいんじゃ……。全てはワシが悪いんじゃ……」
「そうそう。自分でもそう言ってるんだし、そんな奴に心配する必要なんかねぇぞ」
俺はクソ爺の言葉を激しく肯定した。
「さっきからなんだ君は!! ここに居られるのは誰だと心得る!!」
お前はどっかの家来かよ、とツッコミたくなったが何とか抑えた。
ここにいるのは確か──
「──クソ爺だろ?」
「そうそう……って、違ぁぁぁぁぁう!! ここに居るのは六つの世界を統べる最高神様であられるぞ!!」
「知るか。そんなことより……ちょっと面貸してくんない?」
と、俺はクソ爺に向かって言った。
「私の話を聞けえええええええ!!」
「うるせぇな……。で、どうやってクソ爺を処刑するかの話だっけ?」
くそっ……モブキャラっぽいくせに中々でしゃばるじゃねぇか……。
「そんなことを話してない!! お前は私達に失礼だと言っておるのだ!!」
「ん? どこが?」
まったくもって普通の態度だと思うんだが……。
「見たところ……貴様はただの人間だろう? その上に立つ、我らが神にひれ伏すのが人間という生き物だろう?」
「なんだと……?」
今のはちょっとカチンときましたね。
「アホか!! セイムを怒らすでない!!」
「何故ですか? 相手はただの人間……。恐れることは無いでしょう?」
クソ爺がモブ神に向かって何か言ってるがそんなの関係ない。
俺は、両手に剣を出す。
バルムンクとティルヴィングである。
「木の剣と漆黒の剣……? 漆黒の剣はともかく、木の剣とは私も嘗められたものですね……」
木の剣が俺の本命なんだけどな。
「場所を移動するぞ……。対象を指定する、『強制転移』」
その部屋に居た全員の者が天界にある大広場に転移した。
「な……なんだこの転移は……!?」
モブ神は俺の『強制転移』を見て激しく驚いているらしい。
「気にすんな。それより、準備はいいか?」
「あ、ああ……」
モブ神は慌てて亜空間から普通の剣を取り出した。
何だ……拍子抜けだな。
何か特殊な剣でもだして来るのかと思ってたけどな……。
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