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ま、所詮モブ神だしな。
「じゃあ……行くぞっ!!」
ガキィィィィィン!!!!
俺の右手にあるティルヴィングと相手の剣がぶつかり合う。
「ぐっ……!!」
モブ神が俺の剣を必死に受けている。
そんなことはお構い無しにティルヴィングで相手に斬りかかりまくる。
「くそっ……『クロックダウン』!!」
そう言って、モブ神が詠唱破棄してだした魔法は『クロックダウン』。
詠唱した時に自分から中心に出る波動に触れたものの時間を遅くさせる力を持つ時魔法だ。
「はあああああ!!」
俺は左手にあるバルムンクでその波動を切り裂いた。
「な……何だと!?」
モブ神が凄く驚いている。
……面倒だな。もう終わらすか……。
「開眼せよ、『快感の呪い』」
「あちゃ~……」
クソ爺が、アイツあの技まともに食らっちゃったな~、みたいな顔をしているな。
それと同時に、少し震えているのが見える。
そういえば……一回だけ最高神にやったっけ?
「き……貴様……。私に……何を……した……?」
「おい……貴様じゃないだろ!! ご主人様だろうが!!」
「ふぁい!! もっと罵ってください!!ハァハァ……って、私は何を!?」
ティルヴィングにはあらゆる呪いがインプットされているが、その中でもこの呪いが一番最悪最凶だと俺は思っている。
『快感の呪い』とは、その名の通り全ての事象を快感に変えてしまう体質にする呪いである。
呪いをかけたものは俺に従順になるし、罵ってやると何でもしてくれる。
つまり、俺に絶対に服従してしまう呪いなのである。
因みに今俺は──
「この豚が!!」
パチィィィン!!!!
「キャヒン!! もっと~」
「ほらよぉ! お望み通りにな!」
パチィィィン!!!!
──鞭でモブ神を叩いていた。
やっぱり男と男でのこの絵面は汚いな……。
自分でやっといてなんだけど、とても吐き気がする……。
「もう……止めたったらどうじゃ……」
さすがのクソ爺でもモブ神を憐れだと思ったのか、モブ神に助け船をだした。
「よし! 次はお前の──」
「モブラよ……。もう少しだけ耐えるんじゃぞ……」
神の友情なんて所詮こんなもんだよな。
ていうか名前がモブラって……笑いが……。
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