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チュンチュンチュン……。
やあ、みんな久しぶりだな。
え? さっきも居たじゃないかって?
ハッハッハ、気にしない気にしない。
こっちの時間は一ヶ月進んでるんだよ。
いやぁ~。この一ヶ月で色々あったぜ。
あの後、屋敷のみんなで歓迎会を開いたり、その宴で父さんが酔って暴れたり、その父さんを俺が沈めたり、半月後に会ったフォンが随分と変わっていたり、レストがこの家にやってきたり、と色んな事があった。
え? 話を省くなって?
だってダルいじゃん……。そこは皆様の想像にお任せしますよ。
今、俺は庭にあるベンチで寝ている。
それにしても……
「暇だな……」
「暇なら勉強してください。あと少しで学園に入るんでしょう?」
と、フォンが言った。
シノンがフォンに何を叩き込んでのかは知らないが、久しぶりに会ったときにはもうこんな感じになっていた。
背筋は常に真っ直ぐで、炊事や料理は完璧で、言葉は常に敬語を使用している。
父さんから俺専用の執事として任命されたらしく、四六時中ほとんど一緒にいる。
どんな教育を受けたんだ?、と前に訊いたところ、『……頼みます……その事は訊かないでください……』、と震えながら言われた。
……本当に何があったんだろう?
「勉強なんてしなくてもいいんだよ」
だって神の知識がありますから。
「はぁ……。何でこんなのが主なんでしょうか……」
溜め息をつきながら失礼な事を言われた。
「そんなことより、何か暇潰しはねぇのかよ?」
「そうですね……。レストさんと散歩に行かれては?」
「却下」
多分、アイツは今レイリと一緒に遊んでるだろうから。
……いつも何やってんのか教えてくれないんだよな。
「それなら……ギルドに行かれては?」
「ギルド……?」
「はい。人々からの依頼を受ける場所です」
ふむ……中々暇潰しになりそうだな。
一応、神の知識で検索しとくか。
ギルド
人々からの依頼を受ける場所である。
依頼とは、猫の捜索などから命に関わる物まで、様々である。
依頼にはランクが設けられており、F~SSS、X、Z、EXランクまである。
因みに王国にはギルドが四つしかない。
南の『玄き武』
北の『朱き雀』
東の『青き龍』
西の『白き虎』
である。
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