登山の何が楽しいんだろう……? 疲れるだけなのに……。

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「ま、まぁ……とにかく入ってくれるならいいんだ……」 ギルドの名前を決めてなかったとは死んでも言えない。 「うん。じゃあ……またね」 「おう、学園でな」 俺はルタに別れを告げて、王の居るところに美人さんと転移した。 「よう、終わらせて来たぜ」 「なぬ? もう終わったの?」 王様が驚いた顔でコッチを見ている。 「ああ、ちゃんと証人も連れてきたしな」 俺は親指で後ろにいる美人さんを指差した。 「……誰じゃ?」 まぁ、その反応になるのは当たり前か。 「ほら、自分で自己紹介しろ」 「ふぇ? 貴方がしてくれるんじゃないんですか?」 ふぇ? とか可愛い声出しやがって……。 反則だろ……。 「当たり前だろ? 俺だってお前の事よく知らないし……」 「まぁ……それなら仕方ないですね……」 自己紹介って自分で紹介するから自己紹介なんだぜ? 俺が紹介したら自己紹介にならないからな。 「では……私の名前はベアと申します」 あ、名前は俺も知らなかったな。 「実は私は魔物で、貴方たちで言う『山の鬼神』をやってました」 「…………え? もう一回言ってくれる?」 ぷくくっ……王様の目が点になってるよ……。 ヤベェ……面白すぎて……腹筋崩壊しそう……。 「『山の鬼神』をしてましたベアです」 「…………ええええええええええええええええええええ!!??」 「ど、どうかしましたか!?」 バカでかい扉をバンッ!っと開けて、白いローブの奴が入ってきた。 「お、メイじゃん。ヤッホー」 「はぁ……セイムさんですか。今度は何をしでかしたんですか?」 人をトラブルメーカーみたいに言うのは失礼だと思う。 「『山の鬼神』を連れてきただけだけど?」 俺はベアを指差して言った。 「はぁ……そんなの冗談でしょ?」 呆れたような雰囲気が漂ってくる。 ふむ……ならば証明してみせよう。 「拡張結界展開……座標はこの部屋だけにして……大きさは東京ドームくらい……っと。拡がれ!!」 俺がそう叫ぶと王の間が突然大きくなった。 王とメイは、大きく口をあんぐりと開けて放心していた。 そんなに驚く事かよ……?
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