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フォンとメイの二人を連れてマスター室に入った。
「フォン、この水晶二つに魔力を放出してくれ」
「はい………ふっ!」
フォンが魔力を込めると、水晶が大きく輝いた後数字が出てきた。
「お~、2億か。なかなか高いじゃん」
「う、嘘……ありえない……」
メイは口に手をあてて驚いていた。
メイが驚くのも無理はない。フォンの年齢(つまり俺と同い年)での平均の魔力値は500万となっている。
さらに、帝の平均魔力値は1億とされている。
つまりフォンは帝になれるほどの魔力値を持っているという訳である。
フォンは属性を判別する方の水晶に手をあてて魔力を込めた。
すると、水晶の中に、淡い白と黒と濃い白と黒の光が浮かび上がってきた。
「属性は闇と光と聖と邪……と」
「特殊属性が二つも……どうなってるの……?」
またもメイが頭を抱えて悩みだした。
特殊属性はほとんどの人が持っているが、そのほとんどの人は特殊属性のどれか1つしか持っていない。
極稀に2つ持ってる者が現れるぐらいなのである。
その確率はなんと100万分の1である。
「一応メイも測ってみるか?」
「いいわ……。貴方たちと比べると私が惨めに見えてくるから……」
何で落胆してるかはわかるけど、俺は敢えて無視しておこう。
俺はプリンターのような魔道具に、フォンの名前と魔力値と属性とランクをインプットしていく。
すると、上にある細い穴から名刺のようなカードが出てきた。
「ほい、フォンのギルドカード出来たぜ~」
俺は乱暴にギルドカードをフォンに投げつけた。
「ありがとうございます…………って! SSSランクっていきなりですか!? しかも二つ名を勝手に入力しないでくださいよ!! 『怠惰執事』って趣味が悪いですし!!」
だって本当の事だから仕方がない。
口調や家事は完璧にこなしているが、俺への対応が明らかにおかしいからな。
「一度決まった二つ名は変えられないぜ? ククク……」
「なんてウザイ事をしてくれたんだ……」
ほら、執事なのに主人に向かってウザイとか言うんだぜ?
明らかに執事失格だろ。
俺はもうフォンの事を無視してメイのギルドカードを製作した。
「ほい、お前の二つ名ってカッコイイな」
「でしょ? 私が三日三晩考えたのよ」
因みに、メイの二つ名は『瞬光』だ。
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