学園……それはフラグの量産工場。

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俺に続いてフォンが入ってきた。 「「「きゃああああああああ!!」」」 女子からの黄色い悲鳴と、 「優先抹殺対象発見、早々に駆逐する」「待て!! 早まるんじゃない!!」「隊長!!……俺の右手が疼いて仕方ないんだ!!」「殺殺殺殺殺殺殺殺殺……」 男子からの妬みの声が聞こえてきた。 このクラスの男子とは良い友達になれそうだ。 「よぉーし、お前ら好きに自己紹介しろー」 この怠慢教師は……はぁ。 俺は怠慢教師に内心溜め息を吐きながらもクラスのみんなに自己紹介した。 「え~、俺はヒョウ・サカイだ。質問があったら答えるから手を挙げてくれ」 そろそろ、みんなも疑問に思ってきたと思うが、俺の名前や容姿は変わっている。 名前は俺の転生以前の名前を使っており、偽名として使うには申し分ないと思ったからだ。 この名前に俺は結構馴れており、いちいち違う偽名なんか使っても、呼ばれた時に反応出来なければ意味ないしな。 次に容姿だが、これはただ単に髪と目を黒くしただけであり、"セイム"の顔や髪型は一切変わっていないのである。 最後に、何故俺が偽装工作までして学園に居るのかと言うと、この国ではこの魔法学園に通う事が義務教育となっている。 俺も仕方なくこの学園に通う事になった訳だが、平穏に学園生活を楽しみたい俺にとって、この髪や目は余りにも目立ちすぎると考えたのだ。 だから髪や目を黒くし、さらに偽名まで使うという事にしたのである。 実を言うと、他の六大貴族の友達に"セイム"で会うのが少し恥ずかしかったのも1つの理由である。 "ヒョウ"なら、また新鮮な感じで旧友と語れると思ったからだ。 さて、俺についての話はこれまでにして、目の前の問題を片付けていこうか。 目の前に挙がっている無数の手。 これを一つ一つ処理していかないと思うと鬱になる。 「はい、そこの君」 「魔力値と属性を教えてください」 Aクラスらしい質問だな。魔力値や属性の多さで優劣を決める……余りに滑稽なクラスだよ。 「魔力値は5000万、属性は水・風・闇だが、固有属性として氷を持っている」 俺の発言にクラス中がざわざわしだす。 魔力値が5000万というのも驚きの数字であるが、みんなが驚いたのは俺が固有属性を持っているという事である。
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