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フォン side
ごきげんよう。私は、セイム様の執事のフォン・エクスレイトと申します。
この度この魔法学園に入ってきた編入生です。
セイム様に言われて席に座ると、すぐに前の席の人が話しかけてきました。
「さっきは勘違いしてすまなかったな」
あ、私をセイム様と勘違いした方ですね。
確かに……髪の色と目の色が同じだから勘違いしても仕方がないですね。
さっきまで横に居たヒョウさんがセイム様と知ったら、皆様驚くでしょうね。
「いえ、別に構わないですよ。……名前をお伺いしてもよろしいですか?」
別段、怒ることでもないですからね。
「あぁ、僕はマグナ・ガイアロード。気軽にマグと呼んでくれ」
やはり六大貴族でしたか……。
というか、セイム様を知ってる人は六大貴族くらいでしょうね。
「はい。ではマグさんとお呼びしましょう」
「別に、さん付けはいらないんだけどな……」
「いえ、私は執事ですから」
マグさんは苦笑しながらも分かってくれたようだ。
「本当にセイムではないのよね……?」
マグさんと話をしていると、左の席に座っていた緑色の髪の女性が話しかけてきました。
「だから私はセイム様の執事ですって……グレンさんに訊いてみてください」
「んぁ? 俺を呼んだか?」
私から見て2つ前の席に座ってたグレンさんが振り返って言いました。
「この人達に私がセイム様の執事だって言ってくださいよ。この中でセイム様に会ったのは貴方だけでしょう?」
そう、グレンさんは1ヶ月とちょっと前に屋敷に訪れていました。
記憶が戻ったから会いにきた、という簡単な理由でしたが。
しかし、他の六大貴族の皆さんは何故か来ないのをセイム様は嘆いていましたね。
「レ、レンはセイの屋敷に行ったの!?」
「おう、行ったぜ。ていうかセイの家に行ったの俺だけだったんだな……」
グレンさんが他の六大貴族の皆さんをジト目で見てますね……。
「仕方ないでしょ!! ちょっと……恥ずかしかったのよ……」
「僕も……」
「……私も」
はは……六大貴族と言ってもみなさん普通の人ですね……。
どさくさに紛れて左斜め前の席にいる、サラッとした黒くて艶のある長い髪を持った女性が会話に乱入してましたね……。
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