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その時は見る余裕がなかった……人を人として見ない学生の瞳を。
それはまるでただの物を見ているかのような、何の感情も映っていない……
続けざまに顔面をやられた男は一度に反撃する気を失った。
……いや、できなくなった。
それでも学生は休む事もなくその男を思いっきり踏みつける。
急所の痛みに悶える男はその光景を目の端で捉え、圧倒的な恐怖を感じた。
一人は顎を一撃でやられて隣で泡を吹いてる。
もう一人も顔を血で真っ赤にしている……それでも手を休めない学生。
その光景を目の前にしている男の体中の細胞がこう叫んでいた。
『逃げないと本当に危険だ』
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